寄付候補先が解散したら、遺言書の書き換えは必要か

遺言書チェックポイント

寄付候補先が解散したら

遺言書は、いったん作成した後でも、いつでも自由に書き換えをすることが可能です。とは言え、公正証書遺言であれば費用もかかりますし、専門家と一緒に作成する場合には専門家報酬も発生しますから、書き換えの要否は悩ましいところでしょう。

ここでは、遺言書で寄付をしようとした団体が解散してしまった場合について解説します。

寄付候補先が解散したら、遺言書の書き換えは必要?

まず、結論を言えば、遺言者の死亡よりも先に、寄付をしようとした団体が解散した場合には、遺言書を書き換えることが望ましいでしょう。

法人の解散は、人でいう死亡とほぼ同義です。相続が起きた際にその団体が存在しないとなると、その団体に渡そうとした財産は、遺言書に何も書いていなかったことになり、宙に浮いてしまいます。

そのため、遺言者の死亡よりも先に団体が解散してしまった場合には、その団体に寄付をする予定であった財産を誰に渡したいのか、改めて遺言書を作成する必要があるのです。

予備遺言で書き直しは防げる

ただし、遺言書を書き換えなくて良いケースもあります。それは、遺言書をつくる際に、寄付先の団体が解散した場合に備えた予備的な記載をしていた場合です。

例えば、「下記不動産は、ABC医療法人(本店所在地 愛知県東海市~~)に遺贈する。ただし、ABC医療法人が遺言者の死亡より先に解散していた場合、またはABC医療法人が遺贈を放棄した場合には、同法人に遺贈するとした財産はすべて、XXX公益社団法人(本店所在地 愛知県半田市~)に遺贈する。」といった具合です。

遺言書は、作成から使用するまでの期間が非常に長い、とても特殊な書類です。そのため、今後起きうる出来事に備え、できるだけ様々な事態を想定した内容で作成しておくことが、問題のない遺言書をつくるポイントの一つなのです。

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