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遺言書の時効
遺言書に、有効期限や時効とかってあるのかしら?
遺言書には、有効期限や時効は特にありませんよ。
遺言書には、有効期限や時効はありません。例えば、30歳のときに遺言書を作成し、その方が90歳で亡くなったとしても、その遺言書は、ほかに問題がなければ有効です(もちろん、これだけ長期間が経過しているとご家族の状況、法律等が大きく変わっている可能性もありますので、現実的には見直しは必要でしょうが・・)。
そもそも、遺言書はその方が亡くなってはじめて効力を生ずる書類ですので、有効期限という考えには馴染みません。こちらは安心されたうえで、ぜひ早めに作成されることをご検討頂きたいと思います。
公証役場での遺言書の保管期限
なお、遺言書を公正証書で作成した場合には、その原本は公証役場で保管され、お手元には謄本や正本が交付されます。
この謄本や正本を失くさなければ特に気にする必要はありませんが、公証役場での原本保管には、ある程度の期限があります。
公証人法施行規則
第二十七条 公証人は、書類及び帳簿を、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる期間保存しなければならない。ただし、履行につき確定期限のある債務又は存続期間の定めのある権利義務に関する法律行為につき作成した証書の原本については、その期限の到来又はその期間の満了の翌年から十年を経過したときは、この限りでない。
一 証書の原本、証書原簿、公証人の保存する私署証書及び定款、認証簿(第三号に掲げるものを除く。)、信託表示簿 二十年
二 拒絶証書謄本綴込帳、抵当証券支払拒絶証明書謄本綴込帳、送達関係書類綴込帳 十年
三 私署証書(公証人の保存する私署証書を除く。)の認証のみにつき調製した認証簿、確定日付簿、第二十五条第二項の書類、計算簿 七年
2 前項の書類の保存期間は、証書原簿、認証簿、信託表示簿、確定日附簿及び計算簿については、当該帳簿に最終の記載をした翌年から、拒絶証書謄本綴込帳、抵当証券支払拒絶証明書謄本綴込帳及び送達関係書類綴込帳については、当該帳簿に最終のつづり込みをした翌年から、その他の書類については、当該年度の翌年から、起算する。
3 第一項の書類は、保存期間の満了した後でも特別の事由により保存の必要があるときは、その事由のある間保存しなければならない。
証書の保管期限は、原則20年とされていますが、遺言書の場合には第三項の「特別の事由」に該当すると考えられます。そのため、ほとんどの公証役場では遺言書は更に長期で保管されており、おおむね「遺言者が120歳になるまでくらい」保管している役場が多いようです。
そもそも有効期限はないうえに、公証役場での原本保管期限もかなり長いので、こちらもぜひ知っておかれると良いでしょう。
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