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遺言書は、録音データでも良い？
私は書くよりも話すほうが得意なの。なので、遺言も、スマートフォンに録音しておこうと思うのだけど。
録音データは、残念ながら法的な効力はありませんよ。
最近では、スマートフォンも普及、またホームビデオカメラも安価になり、ご家庭で気軽に映像や音声を撮影する機会も増えたのではないかと思います。では、遺言書も、映像や音声で残すことができるのでしょうか。
映像・音声で残した遺言書は無効
この答えは、NOです。遺言書はしっかりと方式が定められている法的文書。録音データで残した遺言書はいくら本人の肉声であったとしても、遺言書とは認められません。
いくら音声データで、「私の自宅は長男に相続させたい」と話していたとしても、何ら法的拘束力を持ちませんし、もちろんその音声データをもとに、相続が起きた後の手続きを行うことも不可能だということです。
想いをのこす手段として活用を
その一方で、想いを残す手段としては、映像や音声データは非常に優れた方法だと思います。大切な家族の死後、その方が自分たちに向けた肉声メッセージが残っているというのは、ご家族にとって心の支えにもなるのではないでしょうか。また、想いを知ることで、相続争いを防ぐ効果も期待できます。
こういった特性を生かして、財産の分け方など法的な効果を持たせたい内容は遺言書で書き、そして想いの部分は映像や音声で残す形で併用する、というのも一つの考え方です。
音声データでのこした遺言書には法的な効果はありませんが、従来通り紙でのこした遺言書と組み合わせて使用することで、想いのこもった家族への贈り物となることでしょう。
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