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遺言書で財産を渡す相手に制限はあるか。
遺言書で、仲の良いお友達に財産を残してあげたいんだけど、そんなことできるのかしら?
はい、遺言書で財産を渡す相手は自由です。お友達にでも、渡せますよ。
遺言書で財産を渡す相手には、例えば「不倫相手との関係を維持するために・・」といったように公序良俗に反しない限りは、特に制限はありません。
もちろん、ご自身の推定相続人に渡すこともできますし、推定相続人ではない親族(お子さんがいる場合の、姪っ子さんなど)にも渡すことは可能です。
また、まったく血縁関係のない相手にであっても、財産を渡せます。
ただ、いくつか注意点がありますので、こちらも併せて知っておいてください。
1、遺留分に要注意
財産の一部を渡すくらいであれば問題ありませんが、財産の大半を他人に渡すような場合には、遺留分に注意しましょう。
遺留分を侵害したからと言って遺言書が無効になるわけではありませんが、相続発生後に、遺留分のある相続人から財産を受け取った人に対し、遺留分侵害額請求がなされる可能性があるためです。
遺留分侵害額請求とは、「自分の遺留分を侵害しているので、侵害分をお金で返してください」という請求のことで、この請求をされたら、原則として実際に支払わないといけません。
この請求をされることで、寧ろ財産を渡したい相手を困らせてしまう可能性もありますので、ご自身に遺留分のある推定相続人がいるのかどうか等を確認し、検討の上、作成される必要があります。
2、もらう義務が生じるわけではない
遺言書で誰に財産を渡すかは、遺言書を作成する人の自由です。一方で、いくら遺言書で財産をあげると書かれていても、書かれた側に「もらう義務」が生じるわけではありません。
もし、財産を渡すと書いた相手に拒否されてしまえば、その財産は宙に浮いてしまいます。そのため、できれば事前に相手にも話を通したうえで作成されると良いでしょう。また、事前に話を通さないとしても、仮に拒否されてしまった場合の、第二候補の遺贈先まで決めておくと、より安心です。
また、第二候補の遺贈先を決めておくことは、仮に第一候補の遺贈相手が遺言者よりも先に亡くなってしまった場合の備えという意味でも、検討し、記載しておくことをお勧めします。
3、相続税が割増しに
遺産総額が一定の金額(3,000万円+法定相続人数×600万円)を超える場合には、原則として、相続税の申告が必要です。
この場合に、相続人でない他人に渡した財産については、税額が通常の2割増しになってしまいます。相続税がかかりそうな場合には、事前に税理士に相談の上、試算をしてもらっておくと良いでしょう。
4、遺言執行者
相続人でない他人に財産を渡す場合には、その実現の際、相続人全員の協力か、遺言執行者が不可欠です。
そのため、スムーズな手続きをするには、あらかじめ遺言書の中で遺言執行者を定めておくべきでしょう。
あまり安易に書いてしまうのも、相手にとって良くないのね・・。
遺言書の作成は、専門家に相談を
遺言書があれば、ご友人などの法律上の他人に対して財産を渡すことは可能です。とはいえ、上記の通り注意点も多く存在します。
財産を渡したい相手を困らせてしまうことの無いよう、遺言書を作成される際は、ぜひ、相続が起きた後の手続きにも詳しい専門家を活用されると良いでしょう。
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