遺言書の有無を調べる方法
内縁の夫が亡くなったの。私宛の遺言書があると言っていたのだけど、どこをどう探せば良いかわからなくて・・。
遺言書の種類別に、探し方を見ていきましょう。
配偶者が亡くなられたあと、その方が生前に遺言書を作成されていたかどうかわからないケースがあります。亡くなった方が遺言書を作成していたかどうかを調べるには、どのような方法があるのでしょうか。
2018年の民法相続編改正後の調べ方について、ご紹介します。
遺言書の探し方
考えられる方法は、主に下記の通りです。
- ご自宅の金庫や仏壇等、大事なものを手元で保管していそうな場所を探す
- 最寄りの公証役場に出向き、遺言書の有無を調べてもらう(公正証書遺言で作成していれば、見つかります)
- 最寄りの法務局へ出向き、遺言書の有無を調べてもらう(自筆証書遺言で作成し、法務局での保管制度を利用していれば見つかります※2020年7月10日以降)
その他、お世話になっていた弁護士や司法書士、行政書士がいれば聞いてみたり、信託銀行等とお付き合いがあれば、そちらに聞いてみられるのも一つです。
内縁であるが故の問題点
ただし、法定相続人であれば自身と被相続人との関係の証明は戸籍や除籍等で可能な一方、内縁の配偶者の場合、相続においては、法律上の関係はないこととなります。そのため、ただ内縁の配偶者であったというのみでは、公証役場や法務局で遺言書の有無を教えてもらうことはできません。
とは言え、内縁の配偶者が遺言書で受遺者と指定されていれば、その旨を説明したり資料を提出したりすることで、検索してもらうことが可能です。この資料については、公証役場や法務局に事前に相談されると良いでしょう。
また、遺言者の存命時は、遺言者本人以外は、遺言書の有無を調べることはできません。そのため、検索をしてもらうには、被相続人が死亡したことを証する除籍謄本等も必要です。しかし、内縁の配偶者が被相続人の戸籍や除籍を取得するのは、難しい場合も少なくありません。
とにかく、検索をする人が法定相続人でない場合いには、検索をするにもいくつかのハードルが存在するのです。
公正証書遺言で作成し、謄本を渡しておく
そもそも、内縁関係の場合で自身亡きあとパートナーの生活を守りたいのであれば、遺言書の作成は必須です。また、別で法定相続人がいる場合にはトラブルも予想されますから、自筆証書ではなく、必ず公正証書遺言で作成しておいてください。
そのうえで、上記のように検索の際に困らせてしまわないよう、遺言書は公正証書遺言作成時に入手した謄本(又は正本)を、パートナーに渡しておくと良いでしょう。謄本が手元にあれば、わざわざ上記のような検索をせずとも、その謄本を使って手続きを進める事が可能であるためです。
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