遺言書は、法的要件だけ満たせば良い?
遺言書をつくるとき、やはり多くの人がまず気にするのは、法的要件です。確かに遺言書には形式上の要件も多く存在し、その要件を満たさなければ、せっかくの遺言書が無効になってしまいます。
しかし、法的要件はあくまでも、遺言書が遺言書であるための最低限でしかありません。実際に相続が発生し、スムーズに手続きをするため、また、無用な揉め事を防ぐためには、法的要件を満たすのみでは不十分です。
ここでは、遺言書の見直しのうち、跡継ぎ遺贈に焦点をあて、解説していきます。
後継ぎ遺贈の、「第二の相続」部分は原則無効
例えば、このように考えていたとします。
- ケース1 自宅の不動産。自分の亡きあとも後妻である妻には安心して亡くなるまで暮らしてほしい。でもそのあとは、後妻の連れ子ではなく、前妻との子である自分の実子に戻してあげたい。
- ケース2 推定相続人は、妻と、長男と二男。自分の亡きあとも、妻には自宅の不動産で安心して亡くなるまで暮らしてほしく、その後は二男に不動産を渡してあげたい。ただ、先に二男に渡してしまうと、二男の嫁と妻は折り合いが悪いので、妻が追い出されてしまうかもしれない。
この想いは、実現できるか
このようなケースでは、例えば「自宅を妻に相続させる。その後、妻も死亡したら、その自宅は〇〇に相続させる」といった遺言が作成できれば解決でしょう。しかし、このようないわゆる「後継ぎ遺贈」は、残念ながら無効と解釈されています。一旦妻のものとなった財産をどうするのかは、原則として妻の自由であるべきだからです。
信託を使うという方法もありますが、そのためには原則として、信頼できる受託者となってくれる方(ご家族など)が必要なほか、費用も比較的高額になります。
配偶者居住権の創設
なお、このような問題は、改正により創設された配偶者居住権を利用することで、解決できることとなりました。
この制度により、自宅不動産という1つの財産を、「配偶者が死亡するまで無償で自宅に住む権利」と、「自宅不動産の所有権」とを分けて遺贈することができるようになったのです。
つまり、上記1の例では、配偶者居住権を後妻に遺贈する一方、自宅不動産自体は実子に相続させる、という遺言書を作成することが可能になったのです。2の例でも同様です。
配偶者居住権は「後継ぎ遺贈」ではありませんが、実質的に後継ぎ遺贈「的な」ことを実現することができるようになりました。
ただし、改正があったからといって、従来作成した「後継ぎ遺贈的な」遺言書が有効となるということではありませんので、注意しましょう。
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