自筆証書遺言を保管してもらった後で、訂正したくなったらどうすれば良いか。

相続法改正

改正で新設された、自筆証書遺言の保管制度

2018年に成立した改正相続法(民法 相続編の改正)の一環として、法務局での自筆証書遺言の保管制度が新設されました。

では、一旦保管をしてもらった後で、内容の変更をしたいなどの事情が生じた場合にはどうすれば良いのでしょうか。

保管後に内容を変更したくなったらどうするか

保管後の内容変更には、いくつかの方法があります。

  1. 一旦保管してもらっていた遺言書の返還を受け、新たに作成した自筆証書遺言を改めて保管してもらう
  2. 一旦保管してもらっていた遺言書の返還を受け、新たに公正証書遺言を作成する
  3. 一旦保管してもらっていた遺言書の返還を受け、新たに自筆証書遺言を作成し、自宅等で保管する
  4. 保管してもらっていた遺言書はそのままにして、新たに作成した自筆証書遺言を改めて保管してもらう
  5. 保管してもらっていた遺言書はそのままにして、新たに公正証書遺言を作成する
  6. 保管してもらっていた遺言書はそのままにして、新たに自筆証書を作成し、自宅等で保管する

制度上は、上記いずれでも可能です。

ただし、相続発生後のトラブルや混乱を予防するためには、1又は2の方法を強く推奨します。

なお、法務局から返還を受けたからと言って、遺言書が自動的に無効になるわけではありません。保管制度を利用していない自筆証書遺言に戻るだけです。

そのため、撤回前の遺言書は返還後そのまま放置するのではなく、しっかりと破棄したり撤回済みであることを明記するなど、その遺言書を有効とする意思がない点について誤解を受けないよう、処理しておきましょう。

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