「遺言書」と「遺書」のちがい
皆さんは、「遺言書」と聞いて、どう感じるでしょうか。「縁起でもない!」と感じられた方は、もしかしたら、「遺言書」と「遺書」を混同しているのかもしれません。
字面が非常に似ているため、気持ちはわかります。しかし、遺言書と遺書は、まったく異なるものです。では、どのように違うのでしょうか。
一般的に言う「遺書」
「遺書」は一般に、死期の近い方が記載するものです。「先立つ不孝を、お許しください。」というイメージでしょうか。どうしても、この世を見限った死であったり、若すぎる死であったり・・といった、ネガティブで悲しいイメージがあると思います。
「遺言書」は法律文書
一方、「遺言書」は、これから先も元気に生きていく人のための、人生の仮決算であり、大切な家族へのラブレターです。
人間だれしも、寿命の約束などありません。いつ、何があるかなど、誰にも予想できないことなのです。その万が一の事態に備え、いざというときに残された家族が困らないように、しっかりと法的な整備を行い、対策をしておく。この愛情の証が、遺言書です。いざという時に備えるという意味では、生命保険に近いものだと考えると良いのではないでしょうか。
遺言書は決して、自分のために書くのではありません。残される家族への、想いのつまった書類なのです。
遺言書は、決してネガティブなものではない
そのため、遺言書は決して、縁起が悪いものでも、ネガティブなものでもありません。この先も、一つ不安を解消し、元気に生きていくために作成するものです。
私がこれまで遺言書の作成サポートをしてきた方はみなさん、「縁起が悪い」どころか、遺言書の作成後、「ひとつ、肩の荷が下りた気がする」と、ますます元気になられます。
遺言書と遺書はまったく違うものだと知っていただいた上で、早いうちから、遺言書の作成を検討しておきましょう。
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