遺言書を見つけてもらえないというリスク
遺言書を作るときの一つの不安に、「相続発生前にはあまり家族に見つかりたくないけど、一方で相続が起きた後、見つけてもらえなかったら困る・・」という点も、あるのではないでしょうか。
実はこの解決策は、自筆証書遺言と公正証書遺言とで大きく異なります。
公正証書遺言は、あるかどうか調べる事が可能
あなたの作った遺言書が自筆証書遺言であった場合は、この不安の解消は困難です。当然、その用紙自体が原本ですから、奥の方にしまい込み過ぎて見つけてもらえなければそれまでです。
(2020年11月追記:改正により、法務局に預けた場合には、自筆証書遺言であっても検索ができることとなっています。)
一方で、公正証書遺言は、相続発生後、あるかどうかを家族が調べることができます。もちろん遺言書を書いた人の存命中は、本人しか検索・閲覧はできませんが、相続発生後であれば、相続人など一定の関係のある人に限定して、全国の公証役場から遺言書の有無を調べることが可能なのです。そして、実際に作成をした公証役場にて、再発行(謄本の請求)もできます。
遺言書の有無を調べる際の必要書類
具体的な必要書類については、最寄りの公証役場に確認して頂くと確実ですが、一般的には、下記の通りです。
- 遺言者が亡くなったことのわかる書類(死亡の旨が載っている戸籍謄本など)
- 実際に検索に行く人との関係性のわかる書類(戸籍謄本など)
- 実際に検索に行く人の本人確認書類
遺言書は、公正証書での作成を
費用が安いから、手間が少なそうだからといって安易に自筆証書遺言を作成すると、残された家族を困らせてしまったり、そもそも見つけてもらえず手続きに使えなかったりする大きなリスクを背負うことになります。
遺言書を作成する際には、このような性質も知った上で、公正証書遺言か自筆証書遺言か、慎重に判断するようにしてください。
※2020年11月追記:2020年7月より、法務局での自筆証書遺言保管制度がスタートしています。この制度を利用した場合、自筆証書遺言であっても、相続発生後に法務局にて遺言書の有無を調べることができるようになりました。
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