認知症でも、遺言書は作れる？
高齢化が加速する現代、認知症になる方も増えています。では、認知症になっても、遺言書を作成することはできるのでしょうか。
結論は、状態によっては絶対に作れないわけではありませんが、後にトラブルにならないよう、慎重に行う必要があります。
なお、ご本人がその気がないにも関わらずご家族がご自身の都合の良いように作らせるなどは、言語道断です。遺言書はあくまでも本人が本人の意思で作成するものですから、本人にその気がなければ「書かせる」ことは不可能だと思ってください。
ご本人は、本当にわかっているか。
この前提を踏まえた上で、まず本当に本人の意思で遺言書を作りたいと思っているかどうかが、まず一番のポイントです。
そのうえで、当然ですが、ご本人が理解できる内容で遺言書を作成する必要があります。
例えば、同じような健康状況であっても、「長男にはこの財産とこの財産を、長女にはこの財産とこの財産を、そして預貯金は長男に５分の３、長女に５分の２」のような複雑な遺言書は理解が難しくても、「一緒に暮らしていた長女に全部」のような簡単な内容なのであれば、本人がしっかり理解して作った可能性が高い、と判断されたりするわけです。
また、その時点の状態で、医師に診断書をもらっておくことも一つでしょう。
ただし、長谷川式で何点ならどのくらいの内容の遺言書はＯＫ、というような明確な線引きがあるわけではありません。判例はあり参考にはなりますが、あくまでもケースバイケースの判断です。
遺言書は、早めの準備を
つまり、やはり認知症になってから問題なく遺言書を作成するには、いくつかのハードルが存在することを知っておきましょう。
後悔してからでは遅いです。できるだけ早い段階から、遺言書を作成しておいてください。
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