遺言執行者に、資格は必要?
遺言書の内容を実現する責任者である「遺言執行者」。なれないのは、「未成年者」と「破産者」だけで、その他の要件はありません。
つまり、遺言書を書く人の相続人や受遺者でも良いですし、専門家に依頼しても良いわけです。
専門家に依頼するメリットデメリット
遺言執行者を専門家に依頼するメリットは、下記のとおりです。
- 遺言書を、私情をはさまず確実に執行してくれる。
- 手続きに慣れているので、手続き完了までがスムーズ。
- 家族が、平日のお昼にいろいろと動かなくても良い。
- 家族が、慣れない遺言執行者の業務で必要な手続きを見落とし、関係者から訴訟されるリスクを回避できる。
一方、専門家に依頼するデメリットは、一つだけです。
- 遺言執行時に、報酬が発生する。
遺言の執行には専門的な知識が必要な事も多く、慣れていないと非常に大変です。また、ご家族が執行者の場合、他の家族に遺言書を無視した手続きをするよう丸め込まれてしまったり、ある意味で「なあなあ」になってしまう可能性は否定できません。
一方、専門家であれば、業務として確実に、遺言者様の遺志を実現することに注力します。
また、遺言執行は遺言書に名前の出てこない相続人にも財産目録を提示しなければならないなど、判断に迷うようなことや、やるべきことがいくつかあり、これを漏らすとたとえ故意ではなくても、不利益を受けた他の関係者から訴えられてしまうリスクもあります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、遺言書の内容とあわせて、執行者についてもきちんと検討しておきましょう。
なお、どのようなケースでも専門家に引き受けてもらえるわけではありません。事務所ごとの方針もありますので、遺言書の作成を依頼する専門家に確認してると良いでしょう。
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