動画で解説
同居していた家も遺産分割の対象？
私の家族は、母が亡くなって１人暮らしになってしまった私の父と同居なの。住んでいる家と土地は父の名義なのだけど、もし父が亡くなったら、いま住んでいる家は、私が自動的にもらえるのよね・・？
他にも相続人がいるのでしたら、残念ながら、自動的にもらえるわけではないです。
親の不動産で同居しているからといって、名義人（お父様）が亡くなった際、同居している子（相美さん）が自動でその不動産を相続できるわけではありません。
遺言書がない場合、亡くなった方の持っていた財産は、相続が発生した時点で、いったん相続人全員の共有となります。ただ、共有のままでは使い勝手が悪いので、遺産分割協議をすることにより、最終的に誰がもらうかを決めていきます。
そして、これは居住している不動産も例外ではありません。
お父様名義の不動産を自動的に相美さんがもらえるというものではなく、相美さんがもらうことに相続人全員が納得して話し合いがまとまれば、結果的に相続できるというだけです。
ですから、お父様の主な財産がその不動産のみという場合などで、相続人の中にその不動産を相美さんがもらうことに納得しない人がいる場合には、話し合いが難航する可能性が高いでしょう。
結果的にもめてしまえば、自宅不動産を相続する代わりに他の相続人に金銭を支払う必要がある場合や、自宅不動産を売ってお金を分けざるを得ない場合もあります。
では、どうすれば良いのか
すっかり勘違いしていたわ！実は私と姉はあまり仲が良くないの。姉と相続の話なんてしたら、もめてしまうのが目に見えてるわ。どうしたら良いのかしら。
お父様が納得して頂けるようでしたら、次の方法が考えられますね。
では、お父様亡きあとも安心して自宅に住むためには、どうすれば良いのでしょうか。それには、財産を渡す側の方がお元気であれば、次の方法を検討されると良いでしょう。
ただし、いずれの場合でも遺留分には注意が必要です。
１、遺言書を作成しておく
１つは、お父様が相美さんに自宅不動産を相続させる内容の遺言書を作成しておくことです。
遺言書があれば、遺産分割を経ることなく、お父様分の共有持ち分を相美さんに渡すことが可能となります。
２、自宅を生前贈与しておく
もう１つは、生前に自宅不動産を贈与してもらうことです。
ただし、この場合には贈与税が高額になる可能性がありますので、税理士に相談してから行った方が良いでしょう。なお、相続時精算課税制度があれば目先の贈与税は減らせますが、相続時に足し戻して相続税の計算がされてしまい、メリットばかりの制度ではありません。こちらも、税理士に相談しつつ慎重に判断してください。
いずれにしても、相美さんが確実に自宅不動産を取得するためには、お父様の生前、お元気なうちの対策が不可欠です。一緒に住んでいる人が自動的に自宅をもらえるわけではありませんので、この点を知ったうえで、早めから対策をしておきましょう。
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