遺言執行者を選任しておこう
遺言書には、財産の分け方だけでなく、その遺言書を遺言書通りに実行する責任者である遺言執行者についても記載しておいたほうが確実です。
では、この遺言執行者は、一人選んでおけば差支えないのでしょうか。
遺言執行者は1人で良い?
まず、遺言執行者の人数に制限はありません。法律上は、一人でも良いですし10人いても良いわけです。
では、何人選任しておくかと言えば、1人のみではなく、2人ないしは3人程度選任しておくと安心です。
なぜなら、相続が起きたとき、せっかく選任した遺言執行者が遺言を書いた方より先に亡くなっていたり、生きていても体調が優れなかったりなどで就任が難しい可能性があるためです。遺言執行者が必要な内容であるにもかかわらず遺言書で指定した遺言執行者が就任してくれない場合には、残された家族は家庭裁判所へ申立て、新たに執行者を選んでもらう手続きをしなければならず、大変です。
そうならないために、執行者は1人のみではなく、2~3人程度を選び、遺言書に書いておくことをお勧めします。
複数人を同列にすると大変
ただし、「AさんとBさんとCさん」を同列にしてしまうと、「誰かがやれば良い」というわけではなく、ABC3人が共同で行わなければならず、それはそれで煩雑です。そのため、同列にするのではなく、まず第一候補をAさんとし、もしAさんが既に死亡している等で執行者に就任できなければ第二候補のB」というように、順位をつけておくと良いでしょう。
なお、専門家に執行者を依頼した場合には、通常、報酬がかかります。この報酬欲しさか、自分の死んだあとは知らないという事か、もしくは自身は死なない自信があるのか、専門家が自身を執行者に指定する遺言書を作らせ、第二候補以降の執行者を設定しないケースもあるようですが、これではかなり不安です。
遺言書を作る際は、様々な可能性を検討したうえで、のこされた家族が困らないよう、万が一の事態にも対応できるように記載しておきましょう。
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