相続の手続きに必要な書類の基本セットについて解説!

相続手続

相続手続きの必要書類

相続が起きると、非常に多くの手続きが押し寄せます。相続税申告などの税の手続き、電気・ガス・水道の引落口座の変更などの日常生活維持のための手続き、預金口座や不動産、株式など財産の名義を変える手続きなどです。

この中でも特に、財産の名義を変える手続きには、多くの書類が必要です。

遺言書がない場合の基本の必要書類

相続人の状況や、遺言書の有無などによって必要な書類は変わりますが、ここでは遺言書がない場合に必要な、基本の書類と、その書類が必要な理由について解説します。

なお、これらは一例です。手続き先によってはこれら以外の書類が必要になることもありますので、実際に手続きを行う際は、あらかじめ手続き先に確認するとスムーズです。

1、遺産分割協議書

相続人の中で、誰がその財産をもらうのかを話し合い、その結果を記載した書類です。本当に納得しているという証拠に、相続人全員が実印を押します。

2、相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書に押した印鑑が相続人の実印であることの証明に使います。

3、相続人全員の現在の戸籍謄本と、被相続人の出生までさかのぼる戸籍・除籍・原戸籍謄本

遺産分割協議書に押印した人が本当に相続人であること、そして他に相続人がいないことの証明に使います。

4、相続人全員の住民票(本籍地の記載あり)

実は、住民票が必要なのは、住所を知るためではありません。印鑑証明書の住所と住民票に記載の住所は必ず一致しますので、住所が知りたいだけであれば、印鑑証明だけで十分です。

ではなぜ、住民票が必要なのかと言うと、「印鑑証明書と戸籍謄本をつなぐ役割」です。印鑑証明書には、住所は載っていますが、本籍地の記載はありません。一方、戸籍謄本には本籍地は載っていますが、住所の記載はありません。そのため、この2通の書類をつなぎ「印鑑証明に記載のAさんと、戸籍謄本に記載のAさんが同一人物」という証明が必要です。

住民票に求められるのはこの2枚をつなぐ役割であるため、相続の手続きで使う住民票は原則として、「本籍地の記載があるもの」なのです。

相続が起きた後で必要になる書類には見慣れないものも多く、集めるのは大変です。ただ漠然と書類を集めるより、このように、それぞれの書類が必要な理由やその役割を知っておくと、手続きも進めやすいのではないでしょうか。

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