終活で使うエンディングノートとはどんなもの?法的な意味はある?

「エンディングノート」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。しかし、中にはエンディングノートについて誤った知識を持っている方もいるようです。

この記事では、エンディングノートについて改めて解説するとともに、法的効果の有無について遺言書と比較してお伝えします。

終活で使うエンディングノートとは

エンディングノートは書店で購入することもできますし、保険会社や葬儀社などが主催するセミナーなどでもらったという方もいるでしょう。

また、その名称も「終活ノート」などさまざまで、「エンディングノート」という名称でない場合もあります。では、エンディングノートとは一体どのようなものを指すのでしょうか。

エンディングノートは終活に必要な事項をまとめるノート

実はエンディングノートには、明確な定義があるわけではありません。一般的には、終活に必要な事項を1冊にまとめて記載できるよう、枠が設けられたノートを指します。

なお、インターネット上の辞書であるWikipediaには、エンディングノートについて次のように記載されています。

エンディングノートとは、高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望を書き留めておくノート

エンディングノートには決まったルールはない

エンディングノートはこのようなノート全般のことを指し、法律に定義があるものでもなければ、何か明確な決まりがあるわけでもありません。また、記載項目が統一されているわけでもないのです。

とはいえ、終活について考えて記載するノートである以上、記載項目はある程度似通っています。一般的には、次のような事項が書き込めるようになっていることが多いでしょう。

  • 親族関係や相続関係
  • ご自身の生い立ち
  • 持っている財産の一覧表
  • 葬儀やお墓について
  • 入っている生命保険について
  • 延命治療についての考え
  • 財産を誰にどう分けたいかという希望
  • 家族へのメッセージ
  • 亡くなったときに連絡をしてほしい人の一覧

エンディングノートに法的な意味はある?

では、例えばエンディングノートに「自宅の土地建物は長男に渡したい」とか「私の預金は長女と長男で半分ずつに分けて欲しい」などと書いた場合、法的な効果はあるのでしょうか。

エンディングノートに法的な意味はない

結論をお伝えすれば、残念ながらエンディングノートに法的な効果はありません。つまり、エンディングノートにいくら「自宅の土地建物は長男に渡したい」と書いたところで、長女など他の相続人が反対すれば、長男は自分に不動産の名義を名義を変えることはできないのです。

また、亡くなった後で家族がエンディングノートを銀行に持っていっても、預金を解約することはできません。

この点は、特に誤解のないよう注意しておいてください。

エンディングノートを書くメリット

法的な効果がないのであれば、何のためにエンディングノートを書くのでしょうか。ここでは、エンディングノートを書くメリットについて4つご紹介します。

エンディングノートを書きながら終活について検討できる

エンディングノートを書こうとすると、自ずとご自身の終活について考える必要が生じます。終活についてきちんと考えていなければ、書けない項目が少なくないためです。

そのため、エンディングノートを埋めていく中で、ご自身の終活について考えるきっかけとなります。また、書き進めていく中で、「そういえば、この点についてはこれまで考えたことがなかったな」という項目も出てくるかもしれません。

このように、ノートを埋めていく中で終活について考えたり終活についての考えを深めていったりすることが、終活にあたってエンディングノートを活用するメリットの1つです。

遺言書を書く前の整理ができる

また、エンディングノートを書いていくことで、遺言書をつくる前段階の整理もできます。これが2つ目のメリットです。

遺言書を作るには、まずご自身の財産を一覧にしたほうが内容を検討しやすくなります。エンディングノートの中には財産の一覧を書く欄が設けられていることが多いため、これを遺言書作成の準備として活用すると良いでしょう。また、ノートを書きながらご自身のこれまでの人生を反芻することにより、遺言の内容について考えが深まる効果も期待できます。

お墓や葬儀などの考えにつき家族に伝えることができる

また、エンディングノートに書いておくことにより、お墓や葬儀の希望につきご家族に伝える手段となる点もメリットの1つです。

もちろん、こうしたことはできれば直接会って話をした方がより良いのですが、なかなか話を切り出すきっかけが掴めなかったり、ご家族の中に生前に死について考えることにつき否定的な方がいるなどで話をするのが難しかったりする場合もあるでしょう。

そうした際に、エンディングノートに書いておくことにより、希望を伝えやすくなります。

ただし、いざという時にエンディングノートを見てもらえなければ希望を知らぬまま葬儀が終えられてしまう可能性もありますので、少なくとも「万が一の際にはエンディングノートを見て欲しい」という点だけは伝えておいてください。

財産の一覧など家族への申し送りになる

そして、財産などの一覧を書いておくことにより家族への申し送りになる点も、終活でエンディングノートを活用するメリットの1つです。

家族の財産をすべて把握しているケースは決して多くはありません。そうした場合には、相続が起きてから「何を持っていたのか」を確認するだけで一苦労です。そこで、エンディングノートに財産の一覧が記載してあれば、いざという時に家族が財産を把握しやすくなります。

特に、ネットバンクやネット証券などは家族が知らなければ相続手続きが漏れてしまう場合もありますので、ノート内にかならず書いておいてください。また、加入している生命保険を記載しておくことで請求漏れを防ぐことにも繋がります。

ご自身の財産はご自身が思っているより、家族は知らないものです。ぜひエンディングノートを使って、万が一の際に家族が財産を探しやすいようにしておきましょう。

エンディングノートと遺言書の使い分けはどうする?

では、エンディングノートと遺言書はどう使い分けをすれば良いのでしょうか。使い分けについてまとめましたので、参考としてください。

法的なこと以外はエンディングノートで申し送り

エンディングノートは、法的な効果を持たせたいこと以外の申し送リと、終活についてのご自身の考えの整理のため、そして家族に想いを伝えるために活用されるのがおすすめです。例えば、下記のようなことはエンディングノートに書いておくと良いでしょう。

  • 葬儀についての希望
  • お墓や永代供養などについての希望
  • 葬儀の際に呼んでほしい人の一覧
  • 生命保険のリスト(請求漏れ防止のため)
  • 預金など財産の一覧表(家族に探してもらいやすくなるため)
  • 自分の生い立ちや思い出
  • これからどう生きたいかという希望
  • 家族へのメッセージ

法的効果を持たせたいものは遺言書に書く

一方で、法的な効果を持たせたいことについては遺言書に書いておくようにしてください。遺言書に書くべき代表的なものとしては、ご自身亡きあとのご自身の財産の行き先についてです。

たとえば、自宅の土地建物は長男に相続させたいとか、預貯金は長女と長男で半分ずつにしてほしいなどの希望があるのであれば、これはエンディングノートではなく遺言書に書いておきましょう。

遺言書にきちんと書いてあれば、仮に他の相続人が反対したところで、原則として遺言書どおりに財産を渡すことができます。つまり、自宅の土地建物を長男に相続させる旨が有効な遺言書に書いてあったのであれば、たとえ長女がそのことに反対したとしても、長男は自分に自宅不動産の名義を変えることが可能だということです。

このように、法的な効果を持たせたい事柄については、エンディングノートではなく遺言書にきちんと書いておくべきだということを知り、適切に使い分けると良いでしょう。

この記事を書いた池邉からひとこと

エンディングノートは、終活についての考えをまとめたりご自身の想いや財産の状況をご家族に伝えるという点でとても便利なものです。これから終活を始めようとされている方は、まずはエンディングノートを書くことから始めるのも良いでしょう。

ただし、エンディングノートは、あくまでも終活のために「使うもの」。エンディングノートをすべて埋めることが目的となってしまうと、いつまで経っても次のステップに進むことができなくなってしまいます。実際、エンディングノートをすべて埋めることは困難で、私もすべて埋めている方はいまだに見たことがないほどです。

そのため、エンディングノートは書けるところから順次書いていき、空欄があっても気にせず次のステップ(遺言書の作成や銀行口座の整理など)へ進んでください。エンディングノートが書ききれてないからといって他の終活が何も進んでいかなければ、本末転倒なのです。

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