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配偶者居住権と転貸
配偶者居住権をもらったら、例えば施設に入りたい時などに、誰かに貸して賃料をもらうことってできるのかしら。
建物の所有者さんの承諾があれば、可能です。
2018年7月の民法改正により、配偶者居住権が創設されました。
配偶者居住権とは、被相続人名義の自宅不動産を、「自宅不動産の所有権」と「配偶者が亡くなるまでその不動産に無償で居住する権利(=「配偶者居住権」)とに分けて相続できる制度です。これにより、従来より柔軟な遺言や遺産分割が可能となりました。
では、配偶者居住権を取得した配偶者は、sの配偶者居住権を誰かに貸すことはできるのでしょうか。
配偶者居住権の転貸
配偶者居住権を誰かに貸すことは、建物所有者の承諾さえあれば可能です。民法では、下記のように定められています。
(配偶者による使用及び収益)
第千三十二条 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。
2 配偶者居住権は、譲渡することができない。
3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。
4 配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。
ただし、裏を返せば、建物所有者の承諾がなければ、勝手に第三者に貸すことはできないということです。所有者の承諾なく勝手に誰かに貸したときは、配偶者居住権を消滅させられてしまう可能性があります。
配偶者居住権は、売却もできませんし、誰かに貸すにも所有者の承諾が必要です。そのため、例えば将来的に施設に入所したいと考えている場合には、配偶者居住権の取得は、慎重に検討のうえ選択される必要があるでしょう。
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