動画で解説
住んでいた家も遺産分割の対象?
夫が亡くなったら、いま夫と私が二人で住んでいる夫名義の家は、私が自動的にもらえるのよね・・?
他にも相続人がいるのでしたら、残念ながら、自動的にもらえるわけではないです。
夫名義の家にご夫婦二人で住んでいるからといって、夫が亡くなった際、妻が自動でその家を相続できるわけではありません。
遺言書がない場合、亡くなった方の持っていた財産は、相続が発生した時点で、いったん相続人全員の共有となります。ただ、共有のままでは使い勝手が悪いので、遺産分割協議をすることにより、最終的に誰がもらうかを決めていきます。
そして、これは自宅の不動産も例外ではありません。自動的に一緒に住んでいた妻がもらえるというものではなく、妻がもらうことに相続人全員が納得して話し合いがまとまれば、結果的に相続できるというだけです。
ですから、相続人の中に自宅を妻がもらうことに納得しない人がいる場合や、夫の主な財産が自宅不動産のみという場合などには、話し合いが難航する可能性が高いでしょう。
結果的にもめてしまえば、妻が自宅を相続する代わりに他の相続人に金銭を支払う必要がある場合や、自宅を売ってお金を分けざるを得ない場合もあります。
誰の同意が必要か
一緒に暮らしているからといって、自動的に私がもらえるわけではないのね・・。私の名義にするには、誰の同意が必要なのかしら。
他の相続人の同意が必要です。相続人は誰なのか、見ていきましょう。
相続で財産をもらう権利者には、第一順位から第三順位までが存在します。
優先権は第一順位の相続人にあり、第一順位の相続人がいないときや、第一順位の相続人が全員相続放棄をした場合に第二順位の相続人が権利を持ちます。そして、第一順位の相続人も第二順位の相続人も誰もいない場合にはじめて、第三順位の相続人が権利を持つという具合です。
また、配偶者はこれらの順位とは別枠で、存在すれば常に相続人になります。
では、それぞれ具体的にどのような人を指すのでしょうか。
第一順位の相続人
第一順位の相続人は、被相続人の子です。
また、被相続人の子の中に既に亡くなっている人がいれば、その子の子である孫が代襲して権利を持ちます。
第二順位の相続人
第二順位の相続人は、被相続人の直系尊属です。直系尊属とは、親や祖父母といった自分より上の世代の事だと考えてください。なお、祖父母は、被相続人の親世代が誰もいない場合に始めて相続の権利を持ちます。
被相続人の母が既に他界し、他界した母の親である祖父母が存命であっても、被相続人の父が存命であれば、祖父母は相続人にならないということです。
この点で代襲相続とは異なるので、混同しないよう注意しましょう。
第三順位の相続人
第三順位の相続人は、被相続人の兄弟姉妹です。兄弟姉妹の中に既に他界した人がいる場合には、その亡くなった兄弟姉妹の子である甥や姪に相続の権利が移ります。
配偶者居住権との関係
うちは夫の兄弟の同意が必要になりそうね・・。あれ、でも、確か「配偶者居住権」というのができたんじゃなかったかしら?
その名称から誤解の多いところですが、配偶者居住権は、自動で家が貰える権利ではないんです。
民法相続法の改正で、配偶者居住権という制度が新たに創設されています。
配偶者居住権とは、自宅建物という1つの財産を、「自宅建物の所有権」と「配偶者が亡くなるまでその建物に無償で住む権利(=「配偶者居住権」)とに分けて遺言書に書いたり、遺産分割ができるという制度です。
配偶者が自動で家をもらえる制度ではないので、誤解のないようにしておきましょう。
では、どうすれば良いのか
すっかり勘違いしていたわ。夫の兄弟との話し合いなんて不安で・・。どうすれば良いのかしら。
ご主人が納得して頂けるようでしたら、次の方法が考えられますね。
では、配偶者が亡くなるまで安心して自宅に住むためには、どうすれば良いのでしょうか。財産を渡す側の方がお元気であれば、次の方法を検討されると良いでしょう。
ただし、いずれの場合でも遺留分には注意が必要です。
1、遺言書を作成しておく
1つは、夫が妻に自宅不動産を相続させる内容の遺言書や、妻に配偶者居住権を遺贈する内容の遺言書を作成しておくことです。
遺言書があれば、遺産分割を経ることなく、自宅不動産や配偶者居住権を妻に渡すことが可能となります。
2、自宅を妻に生前贈与しておく
もう1つは、生前に自宅不動産を妻に贈与しておくことです。婚姻期間が20年以上であれば、贈与税の特例も使えますので、特例適用の可否を税理士にも相談の上進めるようにしてください。
ただし、この場合には、夫より先に妻が亡くなってしまった場合にどうなるのかといった点を想定し、場合によってはそのケースでも対応できるような対策を合わせて組んでおく必要があるでしょう。
いずれにしても、妻に確実に自宅を渡すためには、生前、お元気なうちの対策が不可欠です。一緒に住んでいる人が自動的に自宅をもらえるわけではありませんので、この点を知ったうえで、早めから対策をしておきましょう。
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