遺言書作成。「たいした財産がないから自筆証書遺言で良い」は本当か。

遺言書の基本

自筆証書か、公正証書か

うちはたいして財産なんて無いし、自筆証書遺言で十分かと思うんだけど、どうかしら。

財産の多寡にかかわらず、できれば公正証書のほうが安心です。その理由をお伝えしますね。

遺言書を作成する際、「自筆証書遺言にしようか、公正証書遺言にしようか」という点で悩まれる方も多いのではないでしょうか。

「うちは大した財産はないし、自筆証書で良いかな」というのは、実際によく耳にします。

では、本当にそうでしょうか。ここでは、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて検討していきます。

自筆証書遺言のデメリット

2018年に成立した改正相続法(民法 相続編)により、自筆証書遺言のデメリットはいくつか減り、公正証書遺言の有用性に近づきました。しかし、それでもやはり、せっかく遺言書を作成するのであれば、財産の多寡にかかわらず、公正証書遺言で作成されることをお勧めしています。

その、代表的な理由は次の通りです。

  1. 公正証書遺言は、ミスにより無効になる可能性が格段に低い。一方、自筆証書は方式違背などにより無効となる可能性がある。
  2. 公正証書は、原本が公証役場に保管されるので、紛失・偽造・隠匿等のリスクがない。一方、自筆証書は、これらの危険性が高い。
  3. 公正証書は、原則として相続発生後の検認が不要。一方、自筆証書遺言は検認手続きが必要。
  4. 公正証書は、公証人と2名の証人が立ち会うので、本人の状態や意思がある程度担保される。一方、自筆証書は原則遺言者のみで作成されるため、状態や意思の証明が難しい。
  5. 公正証書は、文書が整然としていることが多くまた金融機関等の手続き先も見慣れているので、執行(実現)時にスムーズなことが多い。一方、自筆証書で記載が曖昧であったりすると、仮に有効なものであっても金融機関等から相続人全員の捺印を求められる等、手続きに支障が出る可能性がある。

上記のうち、1~3については、2020年7月から開始予定の法務局での自筆証書遺言保管制度を利用することで、解消できます。しかし、4・5については依然としてリスクが残ります。

遺言書は、何のために作るのか

そもそも、遺言書は「作成すること」がゴールではありません。実際に相続が起き、その遺言書に従って問題なく手続きが完了してはじめて、遺言書はその作成した意味があるものです。

せっかく作成した遺言書に疑念が残ってしまったり、手続きに支障をきたしてしまうようでは、やはり遺言書を作成した意味が半減してしまうでしょう。

そうならないためにも、遺言書は、その財産の多寡にかかわらず、しっかりと公正証書で作成されることをお勧めします。

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