遺言書を保管してはいけない場所とは
遺言書を作成したあと、どこに保管すれば良いのか、迷うかたも多いかと思います。
ここでは、遺言書を保管してはいけない場所について、お伝えします。
銀行の貸金庫は、遺言書の保管には不向き
答えは、意外かもしれません。遺言者名義の、銀行の貸金庫です。それは、なぜでしょうか。
銀行の貸金庫は安全性が高く、大切なものを保管するのに大変優れています。しかし、それが遺言書の保管には裏目に出るのです。
相続発生後、遺言書が手元にないと貸金庫を開けるのは大変
もし、遺言書がなければ、相続人は、いくら家族とはいえ、故人の貸金庫を勝手にあけることはできません。貸金庫をあけるためには、相続人全員の同意が必要です。
一方、遺言執行者が定められた問題のない遺言書があれば、原則として、遺言執行者のみで貸金庫が開けられます。
では、遺言執行者を証明するための遺言書が貸金庫の中に入っていたら・・？まるで、卵が先かニワトリが先か、というような状態になってしまいます。貸金庫の中に入った遺言書を取り出すために、遺言書が必要。なんとも、本末転倒な状態です。
こういった状況を避けるため、遺言書だけは、貸金庫に保管しないようにしましょう。
公正証書遺言であれば、公証役場で再発行が可能
補足しておくと、公正証書であれば、公証役場からまた謄本の発行を受けることができます。そのため、これを知って入れば、最悪、貸金庫に入れてしまったとしても、再発行の手間はかかりますが、何とかなります。
とはいえ、やはり再発行には手間もかかりますし、相続人等が公証役場で公正証書遺言の有無を調べられることや、謄本の請求ができることを知らない可能性も少なくないでしょう。
相続発生後の手続きをスムーズにするため、やはり、遺言書だけは貸金庫には入れないことをお勧めします。
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