遺言書があるのに、遺産分割協議が必要になってしまう事例
遺言書は、相続争いを予防するものとして非常に重要です。問題の無い遺言書があれば、遺産分割協議自体が不要となるためです。
しかし、遺言書であれば何でも良いというわけではありません。
ここでは、せっかく遺言書を書いたのに、相続発生後に遺産分割協議が必要となる例を紹介します。
1、財産が網羅されていない。
一部の財産についてのみ渡す相手を記載した遺言書です。この場合には、記載のない財産について遺産分割協議が必要となります。
2、渡す割合のみを指定した遺言書
自宅は妻、A銀行の預金は長男・・というような具体的な指定がなく、「長男3分の2、次男3分の1」というように、割合のみを指定した遺言書です。
これは、包括遺贈といい、「では具体的に誰がどの財産をもらうか」という遺産分割協議が避けられず、争続予防という意味では何ら解決になりません。
ただし、遺言執行者が選任されたうえで、「金融資産はすべて遺言執行者が解約換金の上、換価金のうち長男に3分の2、次男3分の1を相続させる」とったような記載であれば、問題ありません。
問題のない遺言書を作成するのは、意外と簡単ではない
このように、遺言書があってもその内容に問題があると、争続予防にはならないのです。遺言書があっても遺産分割協議が必要となる場合があることを、知っておきましょう。
遺言書には落とし穴も多く、インターネットや書籍のみの情報で一人で作成すると、思わぬ問題を残す危険性があります。ぜひ専門家に相談し、問題のない遺言書を作成するようにしてください。
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