遺言書の内容は、変更できるのか
「遺言書は一回作れば、それで終わり。」「財産が確定するまで、作成できない・・。」そう思っている人も、少なくないようです。
しかし、実は遺言書は何度でも書き直しが可能です。では、遺言書の内容を変更したい場合には、どうすれば良いのでしょうか。
内容が矛盾する場合、新しい遺言書が優先
遺言書は、2通以上が発見された場合、原則として新しいものが、古いものに優先します。
例えば、2015年1月1日の日付の「自宅土地建物は長男に相続させる」という内容の遺言書と、2016年1月1日の日付の「自宅土地建物は二男に相続させる」という内容の遺言書があった場合、自宅土地建物を相続するのは、二男だということです。
そのため、遺言書の内容を変えたければ、最新の意思に基づいて、新たに遺言書を作成すれば良いこととなります。
混乱を避けるため、古い遺言書は破棄が望ましい
このとき、家族の混乱を防ぐため、新しい遺言書ができた時点で、古い遺言書を破棄すると良いでしょう。
先に古い遺言書を発見され、それに基づいて手続きをしたあとで新しい遺言書を発見したような場合には、手続きがややこしくなってしまうためです。
公正証書遺言の撤回は、公正証書遺言で
なお、遺言書の撤回は法律上、遺言書の種類は問われません。仮に最初の遺言を公正証書遺言で作った場合であっても、自筆証書遺言での撤回も可能だということです。
しかし、やはり自筆証書遺言は、書き方に問題があったり、検討すべき事項が漏れてしまう危険性もあります。費用を節約したい気持ちはわかりますが、後のトラブルや、意思とは異なる状況となることを防ぐため、やはり公正証書遺言の撤回は、公正証書遺言で行う方が圧倒的に確実です。
作成時に、できるだけ書き換えをしなくて良いように工夫を
このように、遺言書は一度作成しても、その後、状況や意思が変わった際に変更することができます。
とはいえ、少し預金の金額が変わったり、定期預金が満期になり普通預金に振り替えられたくらいで、毎回遺言書を書き直すのは非常に手間でしょう。
そのため、遺言書を作成する際は、多少の変動では書き換えなくて良いよう、書き方を工夫しておくことをお勧めします。
遺言書を作る際や修正する際は、相続が起きた後の手続きに詳しい専門家と一緒に行うと確実です。
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