遺言書失敗例。不測の事態に備えていないケース。

遺言書失敗例

遺言書は、作ってからの想定も大事

遺言書を作る際は、作成時の状況のみを見れば良いわけではありません。

今後起こりうることや実際に手続きを行う流れなど、様々なことをイメージし、想定して備える必要があります。

不測の事態に備えていない失敗例

遺言書の失敗例として、「不測の事態に備えていない」というものがあります。例えば、次のようなケースです。

遺言書をつくる太郎さんには、長男の一郎さん、二男の次郎さんという二人の子供がいます。長男一家と二男一家は折り合いが悪く、財産の分け方など話し合ったらもめることは目に見えていたので、太郎さんは遺言書を作成することにしました。

遺言書にはすべての財産を網羅して記載しましたが、太郎さんが特に心配していたのは、現在太郎さん・一郎さん・一郎さんの妻・一郎さんの子2人」が一緒に住んでいる自宅です。これは、必ず一郎さん側に渡してあげたかったので、公正証書できちんとした遺言書を書いたわけです。

その後月日が流れ、太郎さんは認知症を患いました。一郎さんやその家族は熱心に介護をおこない、このまま安らかに太郎さんは余生を終えるかというとき、なんと太郎さんよりも先に、一郎さんが事故で急逝してしまったのです。

一郎さんの相続人は、一郎さんの妻と子供たちなので、円満に手続きも終えました。そして更に数年がたった頃、太郎さんが安らかに生涯を終えました。

太郎さんの葬儀や四十九日も終え落ち着いたころ、一郎さんの子は、太郎さんの遺言書を持って、太郎さん名義であった不動産を自分の名義に変える手続きをしようと思い、司法書士に相談しました。しかし、ここで思わぬ事態が起こります。

太郎さんの遺言書では、自宅の土地建物は、「一郎さん」に相続させると書いてあります。しかし、一郎さんは太郎さんより先に死亡しており、もうこの世にいません。一郎さんの子は、「ならば自分が、代襲して相続するのだろう」と思い込んでいました。

しかし、そうではなく、司法書士から、「自宅名義をあなたの名義にするためには、次郎さんの同意も必要だ」と言われてしまったのです。折り合いの悪い次郎さん一家が、自宅の名義を自分に変えるのに、すんなり同意してくれるとは思えません。さあ、一体、どうしたものか・・。

遺言者より先に財産を渡したい相手が死亡したからと言って、原則として、自動的にその子供等に財産が渡るわけではありません。遺言者の死亡以前に渡したかった相手が亡くなった場合には、その相手に渡したかった財産は、遺言書に何も書いていない状態と同じになるのです。つまり、相続人全員で遺産分割協議が必要だということです。

この問題点は、太郎さんが遺言書をつくる際に、「自分よりも先に、自分の子である一郎さんが亡くなってしまう可能性」を想定していなかったことです。自分よりも先に子が亡くなるなど考えたくないことかもしれませんが、可能性がゼロではない以上、ここまで盛り込んでおくべきでした。

遺言書には、しっかりと、不測の事態に備えた記載をしておきましょう。

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