遺言書の見直しポイント~渡す相手はそれぞれ、相続税が払えるか

遺言書チェックポイント

遺言書は、法的要件だけ満たせば良い?

遺言書をつくるとき、やはり多くの人がまず気にするのは、法的要件。確かに遺言書には形式上の要件も多く存在し、その要件を満たさなければ、せっかくの遺言書が無効になってしまいます。

しかし、法的要件はあくまでも、遺言書が遺言書であるための最低限の要件でしかありません。実際に相続が発生し、スムーズに手続きをするため、また、無用な揉め事を防ぐためには、法的要件を満たすのみでは不十分です。

ここでは、遺言書の見直しのうち、「相続税が支払えるか」という点に焦点をあて、解説していきます。

知らないと怖い相続税

実際に見たことのある公正証書遺言で、次のようなものがありました。大まかにお伝えすると、次のような内容です。

「不動産はすべて長男へ相続させる。預貯金はすべて二男に相続させる。」

公正証書遺言ですし、形式上にもまったく問題ありません。

しかし、この方、資産総額が1.5億円程度ありました。この金額以下であれば相続税がかかりませんよ、というラインである基礎控除額を、大幅に上回っています。

明らかに相続税がかかると感じ、その旨を伝えたうえで、提携先の税理士に試算をしてもらったところ、長男も次男もそれぞれ500万円以上の相続税を支払う必要があるとのことだったのです。

遺言書通りにいけば、二男は、預貯金ばかりもらいますから、支払えないことはありません。一方、不動産のみをもらう長男は、いったいどこから相続税を支払えばよいのでしょうか。

公証役場では、原則として相続税のことは教えてくれない

この遺言書は公正証書で作成されていました。また、作成のサポートを税理士ではない某士業に依頼していたとのことです。

しかし、遺言者が相続税のことを知ったのは、今回が初めてだったとのこと。公証役場では通常、税金面まではアドバイスしてくれませんし、サポートをした某士業も、税金のことは考えていなかった(※)のですね。結構、高い報酬を支払っていたようですが・・。

※税金の試算や申告等は税理士の業務ですから、税理士以外の人は行うことができません。しかし、最低限の知識があれば、「あれ?」と思った時点で税理士さんにつなぐことができますし、私もそのために、税理士試験の相続税法は合格しています。しかし、それさえもしない(できない?)専門家もいるようですので、専門家選びにはよく注意してほしいところです。

もちろん、相続税のことを知った上で、「長男はそのくらいのお金は持っているから、大丈夫」と遺言者が判断されたのであれば、問題ありません。しかし、相続税がかかることも、どのくらいかかるのかも知らなかったので、試算の結果に驚いていました。

その結果、長男が相続税を支払えるよう、長男も一部預貯金を相続できるよう遺言書の内容を見直し、事なきを得たわけです。

遺言書作成は、トータルで検討すべき

もし、このまま相続は発生していたらと思うと、非常に怖いですね。長男は相続税の支払いのために、せっかくの不動産を売却する事態になっていたかもしれません。

遺言書を作る際には、様々な角度からの検討が必須です。相続税がかかるのか、かからないのか。かかるのなら、どのくらいの額がかかるのかというくらいは、知っておきましょう。

こういったことを無視して遺言書をつくってしまうと、次世代に大変な問題を残してしまったり、想いの実現が困難となってしまったりする可能性があります。

弊センターではこういった問題にも対応できるよう、相続税に強い税理士とも連携を取っています。遺言書を作る際は、ぜひ、大まかでも良いので、税金についても知っておくようにしましょう。

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なごみ相続サポートセンターでは、実際に手続きをする場面から逆算し、問題のない遺言書をつくるためのサポートを行っています。

無理にひとりで作成し、問題を残してしまわないよう、専門家の活用もご検討ください。

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